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代表理事挨拶

今年は熊本地震が発生しました。今回も想定外の地震であったこともあり、厳しい環境の避難所がありました。

我々はこれまで避難所環境改善のため段ボール製簡易ベッドの普及活動をしてきました。
そして内閣府の避難所運営ガイドラインにもその使用が明記されましたがまだ周知されていませんでした。そのため残念ながら熊本地震の避難所で簡易ベッドの使用は十分ではありませんでした。

また政府も2500台準備し送っていますが十分活用されていませんでした。これは平常時に仕組みを準備をしていなければプッシュ型の支援は難しいことを示しています。

一方、今年の5月に発災したカナダのフォートマクマレーの山火事被災地で現地調査した結果、遠隔地避難所のエドモントン(飛行機で1時間かかる)では約5000人が避難していましたが、避難所開設から5時間以内に1000台、11時間で3000台の簡易ベッドが準備され、最終的には7500台が準備されました。エドモントンの危機管理監は避難所で必要なことは十分な広さがあること(space)、安全なこと(security)、そしてベッドと言っていました。また迅速な対応(時間 time)も重要と思われました。

これらは残念ながら日本では熊本地震後を見る限り東日本大震災を経験してもなお、まだ不十分と言わざるを得ません。

一方、カナダでは女子中学生が1ヶ月間小学生のキャンプにボランティアで泊まり込んで手伝うことが当たり前になっているような状況で、驚くほど日頃のボランティア活動が盛んです。

さらにFood Bankという全国的なボランティア組織があって、普段から低所得者向けに食料素材を企業や個人から寄付で集めて配布する仕組みがあります。
災害時はこれらのボランティア活動がそのままの形で被災者支援として水・食料を提供しうまくいっているようです。政府もこれらの活動に依存しているところがあり、災害時のprevention governmentは県や市によっては存在しないところもあるくらいでした。

またイタリアでは山岳救助の歴史から災害救助ボランティア組織が多数あり、国と共同で運営するANAPASというボランティア組織もあります。
イタリアは各州が被災州の許諾なしに被災地で2500人規模の避難所運営を義務づけられていますが、その運営では80%がANAPASのボランティアです。

このように災害対応や仕組みはその国の文化や背景によって違っていて良いと思います。
しかし避難所の環境が被災者の精神的なものも含めた健康被害を起こさないもの(安全)でないとならないと思われます。
本学会では今後どういった仕組み(法整備を含む)が避難所・仮設住宅及び在宅被災者の環境改善や生活再建への支援に必要かを皆様と考え実行し、さらに日本の強みを活かした仕組みや準備を整えて将来必ず来る大災害に備えていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
平成28年9月9日 第2回避難所・避難生活学会会長 榛沢和彦

 

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