豪雨災害エリアで,新型コロナに感染し自宅療養されている方の避難について

 令和4年8月3日からの大雨により、東北・北陸地方をはじめとする多くの地域で、多数の方々が困難な状況におかれていると思います。自宅療養をされている方ならびに濃厚接触者の方に、災害時の避難について以下のとおりお伝えいたします。                         
1.新型コロナに感染し自宅で療養している方、濃厚接触者の方に向けて

 自宅療養している方も災害から避難することが重要です。ハザードマップを今一度確認しておき、発生した災害の種類に応じて自宅が危険な場所と判断した場合には、ためらわず避難してください。これを実現するために、基本的には事前に保健所などにあるコロナ相談センター等にお問い合わせいただき、万が一の場合、どこに避難すればよいか確認しておいてください。避難所は、陽性者のスペースを確保している避難所とスペースの確保が難しい避難所があるので、自宅近くの避難所について、陽性者が入れるかどうか確認しておいてください。

突然起きた災害に対処する場合、保健所と連絡を取ることが難しい場合は、不織布マスクを着用し感染拡大防止策を十分に行い、移動方法にも留意し、避難を受け入れている施設に向かってください。その際必ず受付でコロナに感染し自宅療養していることを告げていただき、避難所運営者の指示に従ってください。3密の回避、消毒の徹底を行ってください。

安全な場所にいる場合、もしくは自宅の2階以上での避難が可能と考えられる場合には逃げない避難、すなわち自宅内避難も一つの選択肢です。ハザードマップで十分に自宅の安全性を把握してください。

2.車中避難を選択しようとする方へ

他人との接触を控えるという意味で車中避難を考える方もいらっしゃるでしょう。しかし冠水した道路を走行中や駐車中に流されるという事案が生じています。車を使用する場合には十分に注意してください。また、安全が確保されていない場所での車中避難は絶対やめてください。

今は猛暑による熱中症の危険性があります。特に夜間、窓を閉めていると車内の温度上昇に気づかない恐れもあり、大変危険です。

本学会が本年1月に注意喚起していますとおり、コロナに感染した方は特に血栓が生じやすくなり、エコノミークラス症候群の発症が危惧されます。

コロナ禍における車中泊の危険性についての注意喚起

やむを得ず、車中避難を選択される場合には、

(1)日中は4、5時間ごとに車外に出て歩く(不織布マスク着用)。

(2)車内では足のつま先を立たせることや、足の指で”グー”を作る(足の指を強く折り曲げる)運動を繰り返す。

(3)夜間は脚を伸ばした状態で眠る。

(4)意識的に水分を摂取し脱水症を避ける。特に発熱があると水分を失いやすいので解熱剤を服用する。トイレに行      くことをためらわない。

(5)弾性ストッキングや着圧ソックスを入手し着用する(医療機関や保健所にご相談ください)。

以上のような対応を行ってください。